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看護部

「EGFRを標的とする分子標的治療薬に伴う皮膚障害に対するクリティカルパスを用いた対策」の情報公開

はじめに

 分子標的治療薬の副作用としては、標的となる分子を阻害するため、従来型の殺細胞性抗癌剤とは違い、生命に関与する骨髄抑制などの出現程度が低く、高齢患者への使用も多く見られています。しかし、分子標的治療薬特有の副作用も多く、そのひとつに皮膚障害があります。その皮膚障害は、「掻痒感」「痛み」などの身体的苦痛だけではなく、外見の変化に伴う精神的負担を生じさせ、患者さんのQOL(生活の質)低下に大きな影響を及ぼします。
 当院ではこれまで、それらの薬剤を使用する際は、クリティカルパス(その治療の目指す最適な状態に向けて、最適と考えられる医療・ケアの介入内容をスケジュール化したもの)というツールを用いて対応していました。しかし、その運用は入院期間中のみでした。これらの薬剤は、入院で導入され、外来で継続使用されることが多いのですが、外来では十分な対応が行えず、減量・休薬・中止など皮膚障害に伴う治療計画変更が多く見受けられました。外来の限られた時間の中、医師だけで、部位ごとに処方された軟膏の管理やスキンケア指導を行うことは困難であることがその要因であると考えました。そこで、入院・外来と継続支援できる新たなクリティカルパス(RASHパス)を作成導入しました。
 今回の研究では、今後の医療の充実・ケアの質の向上のために、これまでの使用実績について報告し、その成果を明らかにします。   

研究内容

 2014年2月〜2015年3月の間に当院でEGFRを標的にする分子標的治療薬(イレッサR・タルセバR・ベクティビクスR・アービタックスR)を導入し、クリティカルパス(RASHパス)を使用した患者さんを対象に、治療経過を電子カルテ(診療録、看護記録)から、皮膚障害の憎悪、皮膚障害に伴う治療計画変更の有無を確認します。

個人情報の管理について
 本研究の実施過程及びその結果の公表(学会や論文等)の際には、患者さんを特定できる情報は一切含まれません。対象者となることを希望されない方は、下記連絡先までご連絡ください。

研究期間
 研究を行う期間は承認日より平成28年12月31日までです。

医学上の貢献
 EGFRを標的にする分子標的治療薬使用による皮膚障害において、むやみな減量・休薬・中止など皮膚障害に伴う治療計画の変更を無くすことは、最大限の治療効果に繋がると考えます。

研究機関
 国立病院機構別府医療センター 
 看護部 吉村幸永(責任者)

 問い合わせ先:独立行政法人 国立病院機構 別府医療センター
 連絡先 :〒874-0011 大分県別府市大字内かまど1473番地
 TEL:0977-67-1111(代) FAX:0977-67-5766
 国立病院機構別府医療センター 看護部 吉村幸永