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皮膚科

皮膚がんの早期発見

早期発見の重要性

皮膚がんセルフチェック

皮膚がん検診

悪性黒色腫(メラノーマ)の早期発見

日光角化症の早期発見

有棘(ゆうきょく)細胞がんの早期発見

基底細胞がんの早期発見

乳房外パジェット病の早期発見

その他の皮膚がんの早期発見

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 もし、皮膚がんを早期発見し皮膚科を受診できれば、かなり高い確率で治癒が望めます。皮膚がんは体表面にできるので、容易に早期発見できそうですが、進行して来院する方も少なくありません。皮膚がんはまだ小さいころにその存在が気づかれることもありますが、それが皮膚がんかもしれないと認識されないまま徐々に増大することも多く、注意が必要です。皮膚がんは進行すると、切除の範囲が大きくなる、切除不可能になる、転移をするなど、治療が困難になってきます。他の臓器のがんと比べても軽症で済むものではありません。
 まずは、皮膚のできものがあった場合、皮膚がんかも知れないと疑うこと、これが最も大切なことです。もし気になる皮膚のできものがあれば、できるだけ早く皮膚科を受診してください。しかし、「皮膚がん検診」の際に行ったアンケートでは、皮膚がんかも知れないと疑っても皮膚科を受診しない方が大勢いることがわかっています。その理由で多かったのが、時間がない・忙しいというものでした。せっかく皮膚がんを疑っても皮膚科に来ないのであれば皮膚がんの診断も治療も行えません。時間を作って皮膚科を訪れることも大切なことです。

初期がん=表皮内がん 浸潤性のがん

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 ご自分の体の皮膚のできもののうち、以下に当てはまるものがないかチェックしてみてください。皮膚がんを疑う項目をリストにしています。良性のできものに共通するものもありますが、チェックのつくものがあれば一度皮膚科医の診察を受けてみられることをおすすめします。

 □比較的最近(ここ数年以内に)気づいたできものがある(多くのがん)
 □だんだん大きくなっているできものがある(多くのがん)
 □サイズの大きいできものがある(多くのがん)
 □いびつな形のできものがある(多くのがん)
 □なかなか治らない傷や潰瘍があり、しる(浸出液)がでる(多くのがん)
 □血がにじむできもの、血がにじんだことがあるできものがある(多くのがん)
 □かたく触れるできものがある(多くのがん)
 □黒い色のできものがある(基底細胞がん、悪性黒色腫など)
 □鼻まわり、目まわりにできものがある(基底細胞がん、日光角化症など)
 □茶色のできものがあり、特に色の濃い部分と薄い部分がある(悪性黒色腫など)
 □以前は平らだったが盛り上がってきたできものがある(悪性黒色腫、有棘細胞がん、乳房外パジェット病、血管肉腫など)
 □爪に茶色や黒色がついている(悪性黒色腫など)
 □顔にかさかさ触れるピンク色のできものがある(日光角化症など)
 □かさぶたがついたりとれたりするできものや傷がある(有棘細胞がん、その他多くのがん)
 □やけどなどの傷のあとに新しい傷がある(有棘細胞がんなど)
 □外陰部、わきにただれや色がついたり抜けたりしているところがある (乳房外パジェット病など)
 □最近気づいた、または大きくなった頭や顔の紫色の皮疹がある(血管肉腫など)
 □皮膚の表面は普通の色でも、つまむとしこりがある(軟部肉腫、転移性腫瘍など)

* 上記のいずれかの症状に当てはまるものがあったら、早めに皮膚科を受診して下さい。
 * 以上の典型的な症状に当てはまらない皮膚がんもありますので、気になるできものがあったら早めに皮膚科を受診して下さい。
 * 上記の症状は良性のできものに当てはまるものも含まれています。

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 大分県では2006年より皮膚がんの早期発見を目的として、「皮膚がん検診」が実施されています。気になる皮膚のできものがあれば、是非利用してください。詳しくは、「皮膚がん検診」のページをご覧ください。

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〜悪性度が高く何より早期発見が重要〜

◇悪性黒色腫とは?
 若年層から高齢者まで幅広い年齢層で発症します。多くの場合、茶色から黒色の色がついていますが例外もあります。悪性度が高く進行すると転移(多くはリンパ節転移から始まる)をしますが、早期発見の場合の治癒率は9割を超えています。

◇早期発見のコツは?
 皮膚、粘膜(外陰部、口腔内など)、爪のどこにでも発生しますが、日本人の場合、悪性黒色腫の約半数の人が手足に生じます。次に顔に生じるケースが続きます。大きくなる茶〜黒色病変は要注意です。小さい病変では、肉眼的に良性腫瘍との鑑別が困難なこともあります。サイズが大きくなると、

  • いびつな形(きれいな円形でなくなってくる)
  • 辺縁の不整(ギザギザになったり一部でわかりにくいところがある)
  • 黒・褐色の濃い部位と薄い部位が混在
  • サイズの増大(以前と比較してサイズが大きい)
  • 盛り上がり(皮膚表面より隆起してくる)
  • 出血や潰瘍形成
  • 爪の黒い線や変形
  • など

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〜高齢者の露光部に発生する表皮内癌〜

◇日光角化症とは?
 日光のあたる部位(顔面、耳、頭(脱毛部)、手背など)に生じるできもので、長期間の紫外線の暴露が発症に関係しています。高齢者に多く発症します。病変は皮膚のごく浅いところに留まっていますが(表皮内癌)、進行すると皮膚の深いところに増殖します(有棘細胞癌)

◇早期発見のコツは?
 露光部に薄い赤〜褐色の斑状の病変として現れます。数mmのものから1cmをこえるものまであります。境界線が比較的追いやすく、触ると指に少し引っ掛かりがあります。また、ただれたり(びらん)、角質が肥厚して突起状になる場合(皮角)もあります。

◇日光角化症の治療がなぜ重要なのか?
 一部の日光角化症は進行して有棘細胞癌となり、浸潤性に増大し、大きな腫瘍となり、転移をする場合があるため、早期の治療が望まれます。多発したり、治療をしても次々に生じたりすることも多く、長期間の経過観察が必要です。人口の高齢化に伴い、日光角化症の患者数は確実に増加しており、治療の重要性は高まっています。

◇日光角化症の治療法は?
 一番確実な方法は手術です。その他、液体窒素による凍結療法外用薬による治療などが選択されることもあります。

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〜角化を伴う腫瘍で進行するとリンパ節に転移する〜

◇早期発見のコツは?
 発症のパターンとしては、露光部における日光角化症に続いて生じる、口唇がただれたり盛り上がる、外陰部の白い部分の一部がただれる、足の裏ややけどのあとの傷が治りにくい、その他様々なものがあります。時に高齢者の顔面に巨大腫瘍を形成する場合もあります。
 見た目には、表面がかさかさ(角化性)の隆起性腫瘍で、治りにくい潰瘍を形成する場合もあります。進行すると悪臭を伴い、リンパ節転移をすることもあります。

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〜めったに転移しないが周囲の組織を破壊して増大〜

◇早期発見のコツは?
 発症部位は顔面、特に鼻とその周囲に多く、まぶた(眼瞼)、頬部などにも発生します。時に体幹部や頭部、四肢にも発生します。黒色調、数mm〜1cm程度の隆起性の腫瘍で、腫瘍の辺縁に黒色のつぶつぶ(小結節)が配列することがよくあります。一方で、あまり隆起せずに中央が窪んで潰瘍を形成することもあります。血がにじむ場合は要注意です。黒色でないこともあり、良性腫瘍との鑑別が難しい場合もあり、皮膚生検(皮膚を一部切り取って診断をつける)を行って診断します。

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〜陰部、腋窩に紅色病変を生じる〜

◇早期発見のコツは?
 陰部、腋窩にゆっくり拡大する紅色病変で時に白色調を呈することがあります。ただれたり、盛り上がったりすることもあります。かゆみを伴うこともあり、湿疹や真菌症と間違われることも多く、外用薬を使用しても軽快しない場合は要注意です。浅い病変(表皮内癌)のままゆっくり拡大しますが、一旦深く浸潤すると非常に転移を来しやすい疾患です。早期に治療することが重要なので恥ずかしがらずに皮膚科を受診して下さい。

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脂腺がん:眼瞼に生じやすく、黄白色調を呈することが多い。転移しやすい。


メルケル細胞がん
:ボタンを貼りつけたような紅色結節で現れることがある。転移しやすい。


アポクリン腺がん:腋窩などに生じる硬く触れる腫瘍で大きな腫瘍を形成することがある。


血管肉腫
:頭をぶつけたあとなどに紫色の斑状病変ができて急速に拡大する。中央に出血を伴う腫瘍を形成することもある。転移しやすい。


隆起性皮膚線維肉腫
:光沢のある硬い腫瘍で紅色調を帯びる。広く切除する必要がある。

転移性腫瘍:他の臓器のがんが悲憤い転移する。はじめは皮膚の下にしこりとして触れ、大きくなると皮膚表面に飛び出すことが多い。

上記の写真は皮膚がんの一例です。同じ皮膚がんでも見た目がかなり異なるものも多いので注意が必要です。チェックリストにあてはまる皮膚のできものがあった場合は、ぜひ皮膚科を受診して下さい。